チュートリアル:ASCMO-MOCAの操作

このチュートリアルでは、エンジントルクセンサの例を用いてASCMO-MOCAの基本機能と操作手順を紹介します。

チュートリアルについて

本項では、このチュートリアルの構成と、パラメータの最適化に使用される測定データの要件について説明します。

本項は、以下の項目に分かれています。

チュートリアルの課題

一般的なECUには、計算によりセンサ信号を算出するセンサモデルが数多く実装されています。実際のセンサを使用したデータ収集処理は、技術的に困難であったりコストが高くなり過ぎてしまうためです。このチュートリアルで扱うエンジントルクモデルはその代表例のひとつです。ASCMO-MOCAでは、このようなモデルファンクションのセットアップと適合を行い、ファンクションのパラメータをセンサの実測データに基づいて最適化することができます。オプティマイザの目的は、ファンクションのパラメータの平均二乗誤差RMSE(平均二乗誤差)を最小化することです。これによってファンクション予測とセンサ測定データとの差異が最小化されます。

このチュートリアルで段階を追ってモデリングされるトルク関連ファンクションの構造は、ステップ5:ファンクションの構築に示されています。

チュートリアルの構成

チュートリアルは以下の作業ステップで構成されています。

  • ステップ1:データのインポート

    最初のステップでは、測定データをロードし、データチャンネルをファンクションノードに割り当てます。

  • ステップ2:データの分析

    インポートした測定データは、いつでもグラフィカルに可視化して、データを整理したり評価したりすることができます。

  • ステップ4:モデル

    このステップでは、既存のSimulinkモデルをリンクして、パラメータ、入力、出力のマッピングを準備することができます。

  • ステップ5:ファンクションの構築

    測定データを読み取って妥当性をチェックしたら、このチュートリアルでモデリングされるトルクセンサファンクションのセットアップを開始します。

  • ステップ3:パラメータ

    このステップでは、パラメータをチェックして、必要に応じて適合を行います。ここでは、最適化後に参照値として定義したパラメータのみが可視化されます。ステップ6:最適化を参照してください。

  • ステップ6:最適化

    最適化を開始する前に、最適化に影響を与えるさまざまな条件を設定します。これらの設定が終了すると、最適化を開始できます。

  • ステップ7:エクスポート

    このステップでは、作成して最適化したパラメータをエクスポートします。パラメータはDCMファイル(*.dcm)としてエクスポートでき、プロジェクトは機能制限付きのランタイム環境用に保存することができます。

測定データの要件

一般的にASCMO-MOCAでパラメータの最適化を成功させるには、「ファンクションのパラメータ最適化の品質は常に測定データの品質に依存する」というシンプルなルールが重要になります。つまり、計測点分布が偏っているデータや不適切なデータに基づいてパラメータを適合すると、ファンクションの予測はほとんど役に立たないものになってしまいます。

ASCMO-MOCAにインポートする測定ファイルは、以下の条件を満たしている必要があります。

  • データフォーマット
    • Microsoft Excel(*.xls*.xlsx
    • MDAでエクスポートされたASCIIフォーマット(*.ascii
    • カンマ区切りのテキストファイル(*.csv*.txt
    • 測定データフォーマット(*.dat*.mf4*.mdf*.mdf3
  • 各列に含まれる出力値
  • 名前(または名前と単位)は、1行目(または1行目と2行目)に含まれている必要があります。

注記 

パラメータ化に使用されるデータは、必ずしもテストベンチなどの実機で計測されたものである必要はありません。コンピュータシミュレーションの結果などのデータも使用できます。

モデリング用データ

このチュートリアルでパラメータの最適化に使用するデータは、Torque_Data.xlsx というExcelシート(<installation>\Example ディレクトリ)に保存されています。

<installation> はインストールディレクトリです。デフォルトにおいて<installation> = C:\Program Files\ETAS\ASCMO x.xです。

このファイルに保存された測定データはASCMO-MOCAでパラメータの最適化を成功させるための要件を満たしています。

  • センサデータの収集に使用された実験の構成は、DoEメソッドに相当するものです。つまり、測定値は独立的に変化し、均一に分布しています。
  • 測定ファイルに保存された測定データには、不合理な値(トルク値 0など)が含まれていません。